NATURE TECHNI COLOUR MONO
この結晶は複数の面が重なり合った多重構造で、枝状に張り出した部分に空洞や気泡が沢山入り込むことで華やかな模様を作り出している。普通、雪の結晶は六角形でも不規則な形をしているものがほとんどで、完璧な対称形の結晶は非常に稀。
枝の中心や先端に見られる尾根のような模様は様々なタイプの結晶で見られるが、幅広の枝を持つ星形角板にあらわれやすい。この模様は板状に成長した面と面がぶつかる角にできる。隆起した尾根の両脇がえぐられた二重の溝模様もよく見られる。
星形角板は比較的低温で降雪量が少ないなど条件が揃っているときには豊富に見られ、中くらいのサイズで薄く平たい形状をしている。空を舞う雪がキラキラして見えるのは、たいていの場合角板の平らな底面が光を反射しているためである。
星形樹枝は多数の側枝がついた細い主枝をもつ板状の結晶で、シンプルな星型角板よりもサイズが大きく複雑な形状をしている。非常に薄くて軽いため雪雲からの落下速度が遅く、その間も主枝や側枝が成長を続けるため巨大化しやすいのが特徴。
大型の星形樹枝は湿度が高く、気温が−15℃前後のときにあらわれる。余分な水蒸気が豊富な環境では側枝がどんどん芽生えて成長していく。気温と湿度に敏感に反応しながら育つため、最終的な形状は非常にバラエティに富んでいる。
この結晶には薄い樹枝状結晶の典型的な特徴が多くあらわれている。枝の先端は丸くなっており、これは成長速度が早すぎて面を形成できなかったことを示している。枝の中心に立っている背骨のような尾根模様もよく見られる特徴のひとつ。
結晶の先端に見られる扇形の角板は通常、尾根模様以外の部分は平でなめらかな形状をしていることが多い。扇の縁は湿度が高いと成長が早く「ナイフエッジ」と呼ばれる鋭い状態になり、低くなると成長が遅く厚みを増すため額縁のようになる。
シンプルな六角板は気温にかかわらず多く見られるが、非常にサイズが小さいため観察には顕微鏡が必要になる。基本的に模様が少なく小さい結晶は育つ前段階の若い結晶で、ここから湿度や気温の変化によって複雑な形状へと成長していく。
発売日:2015年10月 原型制作:松田モデル 企画総指揮:佐藤純也
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