日本の清流 特装版 CLEAR STREAMS IN JAPAN

日本の清流を代表する淡水魚。背面の青味を帯びたオリーブ色と腹面の銀白色のコントラストが美しい。草食魚には珍しく縄張りを主張し、侵入者には激しく攻撃する。 縄張りをもつ個体は、胸鰭の上側に楕円形の鮮やかな黄色い斑紋がある。秋の産卵期にはオスもメスも体が黒っぽくなり、腹に婚姻色のオレンジ色の帯が現れる。産卵後はほとんどが死に、仔魚は海に下って河口付近の汽水域でプランクトンなどを食べて育つ。翌年の春に遡上して川に定住し、藻類を食べて暮らすようになる。琵琶湖には、海に下らず縄張りももたない陸封型のアユが生息する。

イワナの日本固有亜種で、夏でも水温が15°Cを超えない山岳地帯の川の上流にすむ。体はふつう緑色から褐色を帯び、側線の上下には赤色の細かい斑点が並ぶ。意外に悪食で、水生昆虫や甲殻類から、大型個体ではカエルなどまで食べる。イワナの仲間は北海道から本州まで地域による亜種が山間部の源流にすむが、警戒心が強く姿を見せないので「幻の魚」と呼ばれる。

美しい姿と味の良さから「渓流の女王」と呼ばれ、水温の低い清流で昆虫などを食べて暮らす。淡褐色の体の側面は微かに紅色を帯び、小判型のパーマークが並ぶ。サクラマスと同種で、海に下るものがサクラマス、河川に残留するものがヤマメ。サクラマスはヤマメより大きく成長する。近年、各地で養殖や放流が行われている。

ふだんは全身が銀白色で背面に緑を帯びたシンプルな姿だが、5~8月の産卵期を迎えたオスは青緑色の体側を炎のような赤い横斑が彩る色鮮やかな婚姻色に変身し、尻鰭が長く伸びる。鰭を広げてディスプレイする様子はとても美しい。川の上流から下流、湖沼など様々な水域で見られ、藻類や水生昆虫などを食べる。

体の背面は緑がかった褐色で全体的に白っぽいが、春から初夏の産卵期を迎えるとオスもメスも婚姻色に変わり、体側に現れる鮮やかな3本の赤帯と黒帯との縞模様が美しい。渓流から河口付近まで広い流域に生息し一 部は海に下る。藻類から小動物の死がいまで食べる雑食で、他の魚が棲めないような酸性度が高い水質にも適応するタフな面をもつ。群れで泳ぐことも多く、産卵期には昼夜を問わず浅瀬に集まって産卵行動を行う。「ハヤ」の別名でもおなじみだ。