NATURE TECHNI COLOUR MONO
「キイチゴ」と呼ばれる果実をつける植物は主に野山に自生する。本種は日本全国の山野に生える落葉低木のクロイチゴ(Rubus mesogaeus)というキイチゴの一種で、夏に実る果実は最初は赤く、熟すと黒くなる。キイチゴの仲間の多くは食用に利用され、ラズベリーなど海外産の栽培品種も出回り、甘酸っぱい小さな集合果を生で食べるかジュースなどに加工する。
山野の少し湿った場所に生える日本原産の多年草、フキの地下茎から出る花茎(つぼみ)をフキノトウと呼ぶ。ほろ苦さと独特の香りがあり、古くから早春の山菜の代表として親しまれている。鱗片葉(りんぺんよう)に包まれて固く閉じた若い花茎を摘んで、天ぷらや和え物、フキ味噌などにして食べる。花の後に伸びる葉柄も、ゆでて風味を楽しむ。
山野で見られるつる性の落葉木本。秋に楕円形の果実が実り、紫色に熟すと果皮が縦に割れて、たくさんの種子が入った白いゼリー状の果肉がのぞく。アケビの名は「実が開く」という意味で、果実がぱっくりと裂けることに由来する。甘い果肉は生で食べ、種子は吐き出す。また、果皮も炒め物などにして楽しめる。山形県などでは栽培もされている。
山野の林の縁などに生える、とげだらけの落葉低木・タラノキの枝先に出る若芽。春に収穫するタラノメは「山菜の王様」と呼ばれ、かすかな苦みと独特の風味は天ぷらにして味わうと格別。山形県産などの栽培種も出回るが、出る芽の数が少ないため、野生から採取する時は枝が枯れないように先端以外の芽を残しておく。
山間を流れる渓流の浅瀬に生える日本原産の多年草で、地下のごつごつした根茎は古くから日本の香辛料の代表として、さまざまな料理に利用される。すりおろすと酵素の働きで辛みが生まれるが揮発性が高いので、おろしたてを使う。茎に近い方が辛みや風味が強い。静岡県と長野県が二大生産地で、収穫できるまで1年以上かかる。
イラン原産の落葉小高木で、日本には平安時代に伝わり、温暖な地域で観賞用の庭木として植えられている。先のとがった球形の果実は、熟すと口を開くように裂け、たくさんの小さな赤い果肉の粒が現れる。甘酸っぱい果肉は、そのまま食べてもジュースなどにしてもよい。店頭に出回るのは海外からの輸入物で、国産品は非常にまれ。
常緑高木のタケの地下茎から分かれて地上に出る若い茎をタケノコと呼ぶ。店頭に出回るのは大型種のモウソウチクが多い。3月頃から地表に出る寸前のものを掘り起こす「タケノコ堀り」は春の風物詩。根元のいぼの色が薄く穂先の黄色いものが新鮮で、できるだけ早くゆでてあくを抜き、煮物や炊き込みご飯などにして食べる。
山野の湿った草地に生えるシダ植物。春から初夏に地上に出る若芽は、ふわりとした綿毛が渦巻き状に固く閉じた幼葉をつつむ独特の姿で、古くから身近な山菜として親しまれてきた。成長すると綿毛は抜け落ちて葉が開く。10~20cmのものを折り取り、あくを抜いて食べるが、ふつうは一旦乾燥させたものを水で戻して、煮物などにする。
発売日:2011年6月 原型制作:木村和未 企画総指揮:佐藤純也
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