NATURE OF JAPAN
日本固有種で単にカモシカともよばれる。やや標高の高いブナなどの落葉広葉樹林地帯に、1頭もしくは母子でくらす。朝夕は活発に動いて木の葉などを食べ、日中は茂みの中で一度飲み込んだ食べ物を口に戻してかみ直す「反すう」を行いながら休息していることが多い。オスとメスはそれぞれ縄張りをもち、ふだんは別々に生活し10~11月の繁殖期だけペアになる。メスは4~8月に子どもを1頭産み、約10か月間は母子で過ごす。角はオスにもメスにもあり、生後2か月くらいから生え始める。毛皮、角、肉を目的とした乱獲によって数が減り、1955年に特別天然記念物に指定された。その後保護により数が増えたが、増えすぎによる森林被害も発生している。
人が住んでいる場所に生息する、もっとも身近な鳥。人が住まなくなった場所ではスズメも姿を消すと言われるが、都市部でも巣をつくれる場所が減ったことで、スズメの数が減り続けている。人家の近くを飛び回って食べ物を探し、夜は林や竹やぶなどで眠る。きれい好きな鳥で、体を清潔に保つため、水浴びだけでなく砂浴びもする。春から夏にかけて、人家の屋根裏や瓦のすき間などに、枯れ草などを敷きつめて巣をつくり、繁殖をおこなう。主食は草の種子だが、繁殖期はヒナのために昆虫をよく捕る。桜の花をがくごとくわえ取って蜜を吸うこともあるため、桜の花が花びらの付いたまま丸ごと落ちていたら、それはスズメの仕業かもしれない。
日本に生息するクワガタムシの中で最大級の大きさを誇り、最も人気がある種。かつては「黒いダイヤ」と呼ば れ、高値で取引されていた。頭部も体も幅広でがっしりしていて、黒くてつやがある。あごの大きさは成長時の環境で大きく異なる。平地の雑木林のシイタケ栽培用の台場クヌギと呼ばれる樹木などを好んですむ。非常に警戒心が強く、昼間は隠れてなかなか見つけることができないが、夜になると出て来てブラシ状の小あごでクヌギやコナラなどの樹液をなめる。寿命が長く羽化してから3年以上生きるものも珍しくない。5月から9月に現れ、冬は朽木の中などで越冬する。今でも愛好家が多く飼育・繁殖技術も発達しているので種としての絶滅の心配はないが、野生のものは乱獲と生息地の開発で数が激減し、2007年に絶滅危惧Ⅱ類に指定された。
関東地方でもっともふつうに見られる日本固有種のカタツムリ。日本産カタツムリのなかでは大型種で、大きな殻は右巻きで5~6層に巻く。外側の殻に暗褐色の縦線が3本入っていることが名前の由来だが、1~2本しかないものやまったく縦線の入っていないものまで固体の変異が大きい。体の背中にも黒っぽい線が目立つ。しめった環境を好み、家の庭先や林、山野などの木の上で暮らし、やすり状の歯舌でコケなどを削り取るようにして食べる。繁殖期は4~10月。
日本各地の河川の上・中流域や湖などにすむ淡水魚で、沖縄産のものはリュウキュウアユといい亜種とされる。万葉集や神話に登場するほど古くから知られる日本の川魚の代表で、体全体からスイカやキュウリと似た独特の香りがすることから「香魚」、1年で一生を終えることから「年魚」など多くの別名をもつ。河川で生まれ、海に下って成長し河川に戻って産卵する回遊魚だが、琵琶湖産のアユは回遊しない。水底の岩に付着するコケを、くし型の歯で削り取って食べる。釣り魚としても人気で、縄張り意識が強い習性を利用した、おとりを使う「友釣り」が有名。塩焼きや天ぷらにして、初夏の味覚を味わう。
北海道沿岸など冷たい海の水深30~200mの砂泥底に住むカニで、別名オオクリガニともいう。全身が小さなとげと固くて短い毛で覆われていることからこの名がついた。脚が短いずんぐりした体形で、メスの甲羅はオスよりやや幅広く円形に近い。重要な水産資源で主産地は北海道と岩手県だが、漁獲量が激減しているため一隻の漁船が使用でき るかごの数まで管理されている。傷つけずに生きたまま捕獲できる「カニかご漁」という漁法限定で、甲長8cm以上のオス以外は放さなければいけない。
野生のオオシマザクラとエドヒガンとの雑種で、栽培品種の代表格。日本には野生で約10種、栽培で300品種以上のサクラがあるといわれているが、日本で見られるサクラの木の7~8割はこのソメイヨシノが占めるという説もある。 しかし、その歴史は意外に浅く江戸時代後期に江戸染井村(現在の東京都豊島区駒込周辺)の植木屋で売り出され、明治時代になって全国に広がった。種からではなく接ぎ木などで増やされる。そのため全てのソメイヨシノの木は遺伝的には同じ個体、つまり「クローン」とされている。
日本でもっとも高い山で、2013年に世界文化遺産に登録された。山としての富士山ができはじめたのは約40万年前で、太平洋プレートなどの移動にともなって火山活動が活発になったことによる。以来、噴火を繰り返しながら高くなっていったが、一貫して現在の富士山が高くなっていったわけではない。最初に先小御岳火山という火山ができたあと、それをおおうように次の小御岳火山ができ、さらにその上に古富士火山がそびえ、そして約1万年前に現在の富士山が現れた。もっとも最近の噴火は江戸時代の1707年の宝永噴火で、このときできたのが南西の斜面の宝永火口だ。以来300年以上噴火していないが、GPSを利用するなどして火山活動の監視・観測が行われている。
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原型制作:KOW、木村和未、吉敷麻里亜、田辺高憲、常川太一、杉原亭、松田モデル企画総指揮:佐藤純也
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