SCIENCE TECHNI COLOUR
日本に約200種いるタマムシの中で一番美しく、「森の宝石」とも呼ばれている。体色は金属光沢のある緑色で、背中には2本の赤褐色の縦縞が入る。この構造色は天敵の鳥を遠ざけるとともに、太陽光を反射して体温の上昇を抑える役割があるといわれている。ちなみに、光の角度で色が変わるタマムシの羽になぞらえ、どのようにも解釈できてはっきりしない表現や態度のことを「玉虫色」という。成虫はエノキやケヤキなどの葉を食べ、幼虫は木を食べ成長する。6~8月の日差しの強い日中に活動し活発に飛翔する。上翅は死後も色が変わらないことから昔から装身具や装飾品に使われており、中でも法隆寺が所蔵する国宝「玉虫厨子(たまむしのずし)」はあまりにも有名である。
北海道にのみ生息する日本固有種。体色は金属光沢のある赤・緑・青・黒など。「北の宝石」とも呼ばれる美麗種。オサムシは後翅が退化し飛ぶことができないので地上を歩いて活動する。5月中旬~7月上旬に最も多く活動し、雑木林に積もった落ち葉や石の下でカタツムリを捕食する。冬は土の中で越冬することが多い。飛行能力がないため、大きな河川を挟んだ両地域や山塊ごとに生息する個体群で多くの亜種に分けられる。また同じ亜種でも分布する地域によっての変異が大きく、北海道の各地では体色や体の凹凸がさまざまに変化する。地域固有の細かな色や形の違いに魅了され、飼育や標本を作って楽しむオサムシ愛好家は多い。
「生きる宝石」と呼ばれるホウセキゾウムシ属は世界のゾウムシの中で最も鮮やかな色をしており、その色合いは様々。ニューギニアの地域ごとに種が分かれ、同種でも地域ごとに模様や色が異なるためコレクターが非常に多い。広域に分布する本種は金属光沢のある青緑色に黒い帯模様があるのが特徴。自然界では特に目立つ体色だが、体表面は小さな鱗によって形成されているためとても硬く、踏んでも簡単には潰れない。捕食者は食べるのが困難なので「食べない方が良い」とアピールするための警戒色とも考えられている。ゾウムシの名の由来は口吻が象の鼻に似ていることから。
センチコガネは動物の死体や糞を餌とする「糞虫(ふんちゅう)」。古代エジプトで有名なスカラベ(ふんころがし)の仲間である。和名の「センチ」はトイレの古語「雪隠(せっちん)」が由来。東アジアに広く分布するが、日本では北海道から九州に生息している。雌は土に穴を堀り、その中に動物の糞を詰めて産卵し、孵化した幼虫はその糞を食べて成長する。体色は金属光沢が美しく、生息地による色彩変異が豊富なことが特徴。赤、緑、青を基調にさまざまなバリエーションがあり、色の違うものを並べると虹色が作れるほど色彩変化が豊かなため、全国を回って採集する愛好家が多い。
標本箱をミニチュアで再現した「ドイツ箱」シリーズ第4弾が登場!今作では、なんと中の昆虫もほぼ実寸サイズで立体化!甲虫たちの触覚から手足の造形、さらに美しい光沢まで精巧に再現しているため、まるで本物の標本さながらの存在感を味わえます!背面にはマグネットが付いているため、お好きな場所に飾ってお楽しみいただけます!
企画総指揮:佐藤純也
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